ＳＳ
独占欲1/4ﾍﾟｰｼﾞ目
そいつは､とにかくしつこかった｡
断っているにも関わらず､何度も何度も同じことを繰り返していた｡
「ね？いいじゃん｡付き合おうよ｡ずっと好きだったんだよ｡」
中身の無い言葉を､へらへらとした口調で､にやにやしながら並べるこいつは私の隣のクラスの人らしい｡
ついさっき初めて知った｡
そんな奴と付き合えるほど､私は寛容ではない｡
「いや､私彼氏いるしさ」
そう言うと
「知ってるよ｡洋介先輩だろ？でも絶対俺の方が良いって」
普通の人ならここで引くはずなのに､こいつはさらに食い下がった｡
面倒臭い人間に好かれてしまったものだ｡
邪魔が入らないかなぁ、と思ってみたがここは放課後の校舎裏｡
誰かが通り掛かるはずもない｡やはり､自分で何とかしなければならないようだ｡
「私､洋介先輩のことが好きだし､別れるつもりないから｡だいたい、私はあんたのこと好きじゃないし…正直言うと気持ち悪い｡」
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