SS 1/2ページ目 オレンジ色の光が差し込む放課後の校舎。 階段に座り込む二つの影と、静かに響く押し殺したような泣き声。 忘れ物に気付いた私が教室に戻ると、そこには他のクラスの子と抱き合っている彼氏の姿があった。 当然のように修羅場に突入し、最終的に私はあいつの頬に平手打ちをかまして教室を飛び出した。 その時、偶然通り掛かった部活の後輩悠紀くんに遭遇した。 ―ついさっきのことだった。 「ごめんね…なんか…急に泣いたりして…」 「い…いや、全然気にしないで下さいっ」 背中をさすってくれていた手がパッと私から離れた。 そして、申し訳なさそうに呟いた。 「あっあの…実は…全部聞いてたんです。廊下で」 「あ…そうだったんだぁ。なんか格好悪いとこ見られちゃったなぁ…」 私が力無く笑うと、悠紀くんは 「沙織先輩は格好悪くないですっ!!格好悪いのはあの男ですっ!!」 と、私を見て力強く言った。が、そのあと何かに気付いたように口を手で覆った。 「すっすみません!!先輩の彼氏なのに…!!どうしよう…すみません!!」 その慌てっぷりと、さっきの言葉との差が可笑しくて、私は思わず吹き出した。 「気にしないでいいよ。あいつはもう彼氏と思ってないし。というか、さっき振ってきちゃったから」 そう言うと、悠紀くんは少し安心したようだった。 「そろそろ帰ろっか」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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