前田忠明


 フジテレビの芸能レポーター前田忠明さんが、1989年1月16日に自宅で心筋梗塞症の発作に見舞われた時の体験談


 発作に襲われた瞬間、焼け火箸で胸を突かれたようなものすごい痛みを感じました。
 救急車に乗せられ病院に向かう途中までは意識がありましたが、その後意識を失いました。
 病院に着き電気ショックを何度も与えられて、鼓動が回復するまで私の心臓は停止していたそうです。

 ずーっと暗い中にいたのが、突然遠くにポッと小さな明かりが見えてきました。
 そちらに向かって自分がどんどん近づいて行くみたいでした。
 まるで車に乗って長いトンネルの中を行くみたいでした。それと共に明るい光もぐんぐん大きくなっていきました。

 そして急に暗い部屋からまるでドアが開いたみたいに、パーッと明るい光の世界が訪れました。それが素晴らしいのなんの、本当にきれいな世界なのです。それと共にえも言われぬ良い気分になりました。

 心の真の底から満足しきった感じで、自分の人生であんな気持ちが良かったことは、他にありませんでした。
 あれ以来死の恐怖がなくなり、いろんな現世の生臭い欲望が消えて行きました。





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